見てくれ! このエロゲやエロ漫画のポスターやタペストリーで埋めた壁を!
そしてエロ漫画とエロゲとエロ同人で埋め尽くされた本棚を!
ここが梅居の一人暮らしの部屋だ。
正気な人間が住む部屋とは思えないが心配無用。
梅居は過剰に2次元エロが好きなだけの気のいい男子だ。
梅居は一人暮らしを始めるにあたって、部屋を自分の色に染めると決意した結果こうなったのだ。
男子ならやってしまいがちなことだ。
ある日、そんな美少女にまみれた彼の部屋を同じ漫研に所属する後輩の女子、小桃さんが訪れる。
──彼女はこっそりとエロ同人誌を作っていた。
そして即売会で売った。DL販売もした。
しかし、反響がほぼなかった。
残念である! 悔しい!
いったい自分のエロ漫画に何が足りないのか?
アドバイスが欲しい。
小桃さんは漫研部での梅居の行動から、こいつなら真面目にアドバイスしてくれるのでは? と狙いをさだめていたのである。
小桃さんは梅居に自作の同人誌を差し出す。そして読んだ梅居は勃起しなかった!
小桃さんは血を吐くように、思うッ! 想うッ! 願うッ!
先輩を勃起させるエロ漫画を描きたい!
──何が足りないのか教えて欲しい!
小桃さんのド熱い想いを梅居は過剰に受け止めた!
本気で考えた! この同人誌に何が足りないのか!
俺の勃起とは何なのか! 必死に考えた。
なんて後輩想いな先輩なんだ、梅居ッ! 偉い! 優しい!
ド真剣にド集中したその時ッ!
梅居はドージンしてしまったのである。
──ドージン。
ドージンとは何か? それは同人誌の世界にインする、ということだ!
エロ同人の世界に入り込んでしまったのである。
小桃さんの同人誌をエロくするために、同人誌の世界で梅居は奮闘するのだった!